積立NISA(つみたてNISA)と新NISAは、個人の資産形成を支援するための非課税制度として注目されています。ここでは、2026年4月時点の最新制度情報をもとに、両制度の仕組みや利用時のポイントを具体的な数字や計算例を交えて解説します。
積立NISA・新NISAの基本と仕組み
積立NISA(つみたてNISA)
積立NISAは、長期・積立・分散投資を促進するための非課税制度です。2024年以降の新制度においても継続されており、以下が主な特徴です。
- 年間投資枠:120万円
- 投資対象:金融庁の基準を満たす投資信託・ETF
- 非課税保有期間:無期限
- 口座開設対象者:18歳以上の日本居住者
積立NISAは、毎月一定額を積み立てることでリスクを分散しやすく、長期的な資産形成に適した制度です。
新NISA(2024年新制度)
新NISAは、2024年から恒久化されたNISA制度で、2つの投資枠が設定されています。
| 投資枠 | 年間投資枠 | 対象商品 | 備考 |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 積立NISA同様の投資信託・ETF | 積立NISAの後継枠 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 上場株式、一般投資信託等 | 高レバレッジ商品や毎月分配型投信は除外 |
| 合計 | 360万円 | 両枠の併用が可能 |
- 非課税保有期間は無期限
- 年間360万円まで投資でき、より多くの資金を非課税で運用可能です
新NISAの特徴
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能で、投資スタイルに応じた柔軟な資産形成が可能
- 投資対象が広がるため、株式投資やETFなど多様な商品へ投資しやすい
- 非課税期間が無期限であるため、長期保有のメリットが大きい
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具体的なシミュレーション
ここでは、年収400万円、600万円、800万円の給与所得者を例に、積立NISA・新NISAを利用した場合の年間節税効果と30年間の累計非課税枠を概算します。
| 条件 | 年収400万円 | 年収600万円 | 年収800万円 |
|---|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円(積立NISA) / 360万円(新NISA) | 同左 | 同左 |
| 所得税率目安 | 10% | 20% | 23% |
| 住民税率 | 10%(一律) | 10%(一律) | 10%(一律) |
| 節税効果(掛金全額分の所得控除はNISAにはなし) | なし | なし | なし |
| 非課税運用メリット(例:年利3%運用時) | 約1,137万円(30年積立) | 約3,411万円(30年積立) | 約3,411万円(30年積立) |
※NISAの非課税効果は「運用益の非課税」が最大のメリットであり、掛金全額の所得控除はありません。税制優遇があるiDeCoとは異なります。
※上記は運用益を毎年3%で計算し、複利効果を含めた概算値です。実際の運用成果は異なります。
ケース1:会社員が新NISAを利用した場合
年収600万円の会社員が新NISAで年間360万円を30年間積み立てた場合、運用利回り3%で試算すると、
- 元本合計:360万円 × 30年 = 1億800万円
- 30年後の資産額(3%複利):約3億4,110万円
- このうち約2億7,300万円(3億4,110万円−1億800万円)が通常課税される運用益に相当しますが、新NISAではこれが非課税となります。
ケース2:積立NISAのみを利用した場合
同じく年収600万円の会社員が積立NISAの年間120万円上限で30年間積み立てた場合、
- 元本合計:120万円 × 30年 = 3,600万円
- 30年後の資産額(3%複利):約1億1,370万円
- 約7,770万円の運用益が非課税になります。
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積立NISA・新NISAの選び方・比較ポイント
| ポイント | 積立NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 年間投資上限額 | 120万円 | 360万円 |
| 投資対象 | 金融庁基準の投資信託・ETFのみ | 投資信託・ETF+上場株式等 |
| 非課税期間 | 無期限 | 無期限 |
| 投資スタイル | 積立・長期投資向き | 積立・スポット投資両対応可能 |
| 運用益の非課税 | あり | あり |
| 所得控除 | なし | なし |
| 複数投資枠の併用 | なし | つみたて枠+成長投資枠併用可 |
- 投資可能枠が大幅に増え、多様な金融商品が利用可能な新NISAは、資産形成の幅を広げることができます。
- 積立NISAはシンプルな商品に限定されており、長期的にコツコツ積み立てたい方に向いています。
口座開設のポイント
- 1人1口座制で、積立NISAと新NISAは同一口座で管理されるケースが多いため、金融機関の選択に注意が必要です。
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手数料や取扱商品数を比較し、自身の投資方針に合う金融機関での口座開設を検討してください。
主要ネット証券・金融機関の手数料比較(例)
| 金融機関の分類 | 運営管理手数料(月額) | 取扱商品数(約) | 主な特徴(2026年4月時点) |
|---|---|---|---|
| 主要ネット証券 | 0円(無料) | 約30〜40本 | 手数料無料、低コスト投信の豊富な品揃え |
| 対面型金融機関 | 0円〜数百円 | 約20〜40本 | 対面相談可能で初心者も安心 |
よくある質問
Q1. 積立NISAと新NISAは併用できますか?
A. 新NISA制度では、「つみたて投資枠(積立NISA相当)」と「成長投資枠」を合計で年間360万円まで利用可能であり、別々に口座を持つことはできません。1つのNISA口座で両方を利用する形になります。
Q2. NISAでの投資はいつでも売却できますか?
A. はい、NISA口座内の投資信託や株式はいつでも売却可能です。売却後はその年の非課税投資枠が復活するわけではなく、売却した分の枠は翌年に再利用可能となります。
Q3. 投資で損失が出た場合、損益通算はできますか?
A. NISA口座での損益は課税口座と損益通算できません。損失が発生しても、他の課税口座の利益と相殺できない点に注意が必要です。
まとめ
積立NISAと新NISAは、それぞれの投資目的や資金量に応じて使い分けることが可能な非課税制度です。新NISAでは年間360万円までの非課税投資枠が設定され、より幅広い商品に投資できます。一方、積立NISAは年120万円の枠で長期積立に特化しています。資産形成の計画にあわせて制度の概要と条件を理解し、金融機関のサービス内容を比較検討することが重要です。
※本記事の情報は2026年4月時点のものです。最新の制度・税制は各公式サイトでご確認ください。
※個別の投資判断・税務判断については、ファイナンシャルプランナーや税理士等の専門家にご相談ください。